- 発表者
ラクシミ・ネパール/Laxmi Nepal(ネパール/視覚障害)
- アクセスプラネット 創設者、事務局長
ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業19期生
- ラクシミ/ダスキン・アジア太平洋障害者リーダーシップ育成事業から戻ってきてからのネパールでの取り組み、パキスタンでのアジア太平洋障害者連携フォーラムの成果についてご紹介します。
- アクセスプラネットにおいて創設者であり、現在、事務局長もしております。ジェンダーと障害分野で活動しております。私はダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業19期生です。2017、2018年にこのダスキン研修に参加しました。ダスキン研修では、アクセシビリティ、教育、障害者雇用に焦点を当て研修を行いました。
- 現在、注力している分野は、女性の権利、テクノロジー、経済的エンパワメントです。早速、アクセスプラネットの紹介をさせていただきます。アクセスプラネットは、若い女性障害者が主導しています。権利、エンパワメント、インクルージョンを促進する活動をしています。障害者全般、若い女性に注力しています。設立は2015年です。
- では、ここからは少し私たちの活動と実績についてお話しします。目標に照らして、どのような活動をしているかです。テクノロジーは、私たちアクセスプラネットで注力している分野の1つです。質の高い教育、障害のある児童や青少年の教育の質を、テクノロジーを活用して改善していくことに力を入れています。ワークショップの開催、テクノロジーに関しての視覚障害、女性障害者を対象としたトレーニングを開催しています。
- さて、若い障害のある女性、経済的にエンパワメントすることも重要な活動のひとつです。経済的エンパワメントと職業カウンセリングをしています。これは障害のある若い卒業生に、いろいろなキャリアオプションがあるということを、カウンセリングで伝えています。OJTをしたり、個人の能力育成プログラムを提供したり、技術的なスキルを高め、ソーシャルメディア、事業計画策定も行っています。起業家を目指す人には、こういったプログラムの提供をしています。
- 経済エンパワメントについては、関心を高めることも重要だと思っています。ステークホルダーには政府代表者も含まれます。経済的な分野に関する政策、雇用、特に若い障害ある女性に対して改善する活動もしています。それ以外については、障害のある女性の権利を守るために、法律の知識、リーダーシップ、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)の研修もしています。
- また、障害のある女性をスポーツを通じてエンパワーするのも取り組みのひとつです。スポーツはとても有益です。特に若い障害のある女性にとって、自らの肉体的、精神的なウェルビーイング(幸福、健康)を得るために、スポーツ競技に参加したことで、精神的、肉体的なウェルビーイングに貢献しただけではなく、社会の人たちが選手に対してポジティブな見方をすることにつながったというコメントをいただいております。
- ここからは、2019年のパキスタンフォーラムの成果報告をさせていただきます。このフォーラムに参加したことにより、ソーシャルビジネスのモデルについて知ることができました。またマイルストーン障害者協会の取り組み、障害のある人たちの取り組みを知ることができました。ソーシャルビジネスモデルを学ぶことができたのは、エンパワメントにつながりました。
- パキスタンフォーラムのフォローアップをネパールで行いました。私と私の団体が視覚障害のある人への、「視覚障害がある若者の経済的権利の促進」と題して、エンパワメントを目的としたイベントを開催しました。アドボカシー対話型のプログラムとなり、オンラインで開催しました。対面を希望していたのですが実現できませんでした。「ネパールにおける全盲および視覚障害がある若者の雇用状況と今後について」をテーマとしたプレゼンテーション、パネルディスカッションもありました。雇用主、雇用者、労働者、それぞれが参加したパネルディスカッションでした。
- 雇用主、障害者の権利活動家たちもプログラムに参加してくださいました。インクルーシブな雇用創出について意見交換する機会となりました。フォローアップとして、このイベントの後、テクノロジーをベースとした雇用に向けた技能開発研修を実施し、雇用に結びつける民間企業も出てきています。
- この後は、少しビジネスセクター(分野)との取り組み、そしてソーシャルビジネスの計画について触れたいと思います。メガバンク、メガ銀行、民間の銀行に協力を得ながら、指導員になるためのオンラインでのパソコン研修を行いました。7月、ロックダウンの真っ最中でした。トレーニングの後、指導員になるための研修、障害のある女性はコンピュータのインストラクターとして、いろいろな学校や組織で働くことができています。その知識を、他の障害のある女性や若者に草の根レベルで提供しています。同様に、障害者、女性の雇用を促進するため、さまざまなインタラクションプログラムにも関わっています。
- 続いて、今後のソーシャルビジネスに関して、どういう取り組みをアクセスプラネットでは考えているかを紹介します。私たちは障害に対する意識や関心を、私立学校で高める取り組みをしています。「障害」という項目がコースに含まれているものの、本当の意味で意識や関心を高めるためには、障害者が直接かかわることが重要だと思うからです。なので、こうしたサービスに対して少額を支払ってもらうことで、最終的にエンパワメントに繋げられると考えています。また、他のソーシャルビジネスの計画として考えるのは、デジタルアクセシビリティの研修です。私たちはデジタルアクセシビリティ研修を、障害のある若者に提供しています。国際的に認証を受けたコースを修了することで、ソーシャルビジネスにしたいと思っています。ビジネスに関して言うと、テクノロジーで障害のある若者をエンパワメントするため、CSR(企業の社会的責任)活動として企業家と活動したいと考えます。
- 最後になりますが、今、さまざまな障害のある人たちが各セクターで専門家になっています。経済的エンパワメントが、障害のある人においてカギとなると思います。経済的にエンパワメントされて、初めて自分たちの権利を主張できるのです。ぜひこのプログラムや本日のフォーラムを通じて、経済エンパワメントが可能なのか、アジア太平洋地域において考え、意識や関心を高める場になれば幸いです。今日は発言の機会をいただき、ありがとうございました。
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